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歯石と口臭の意外な関係性
口臭に悩んだことはありませんか?
多くの方が自分の口臭を気にしているものですが、実はその原因の約90%はお口の中にあるといわれています。特に「歯石」は口臭の大きな原因となっているのです。
歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のミネラル成分と結びついて石のように固まったものです。この歯石には1gあたり何十億もの細菌が存在しており、顕微鏡で見るとボコボコと微細な穴があいた粗造な軽石のような状態になっています。
驚くべきことに、歯垢から歯石へと変化するのにかかる時間はわずか約2日。私たちが気づかないうちに、歯石は着々と形成されているのです。
では、なぜ歯石が口臭の原因になるのでしょうか?
歯石が口臭の原因になる3つの理由
歯石が口臭を引き起こす理由は主に3つあります。
歯石の表面はザラザラしており、そこに食べかすや細菌がさらに付着しやすくなります。これが口臭を加速させる大きな要因となっているのです。それでは、具体的な理由を見ていきましょう。
1. 歯石についた歯垢が発酵する
歯石の表面はザラザラしているため、口内の細菌や老廃物(歯垢)が付着しやすい状態になっています。この付着した歯垢が発酵すると、卵や玉ねぎの腐ったような不快なにおいのガスを発生させます。
さらに、歯石によってお口の自浄作用が低下するため、歯垢が溜まりやすくなり、口臭の問題をどんどん悪化させていくのです。
2. 歯石によって歯茎から出血する

歯石が溜まると、歯茎から出血しやすくなり、歯周病になる可能性が高くなります。歯石の周囲には細菌の塊である歯垢(プラーク)が付着し、これが歯茎内で炎症を引き起こして出血を促すのです。
この出血は、血なまぐさいようなにおいを放つ口臭の原因となります。そのため、歯石とプラークの蓄積を防ぐことが、口臭予防と健康な口内環境の維持には欠かせません。
3. 歯茎の膿が悪臭を発生させる
歯周病の初期段階では、自覚症状がなく、歯茎からの出血でも治療しないまま放置するケースが多いです。この状態で歯垢と歯石を放置すると、病気は悪化して歯槽膿漏に至ります。
歯槽膿漏になると、歯茎から膿が出てきて、非常に強烈な悪臭を放つため、口臭もひどくなります。そのため、初期段階での歯周病の適切な治療が重要なのです。
このように、歯石は口臭の大きな原因となります。では、歯石を除去するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
歯石除去で得られる3つのメリット
歯石を除去することで、様々なメリットが得られます。
歯に付着した歯石は自分で取ることは難しく、原則的には歯科医院で歯石除去をする必要があります。定期的に歯石を除去することで、以下の3つのメリットが期待できます。
1. 口臭が改善できる
歯石の表面はザラザラしており、多くの細菌が付着しやすい環境です。これらの細菌は毒素を放出し、特有の悪臭を引き起こします。また、歯石が原因で歯周病が進行し、出血や排膿によるにおいが生じます。
そのため、歯石を早期に除去すれば、口臭の改善が可能です。歯石が長く放置されると細菌はさらに増殖し、口臭が悪化するため、定期的なケアが欠かせません。
当院では、歯石除去後に患者さんから「周りの人に口臭を指摘されなくなった」「マスクを外す時の不安がなくなった」といった喜びの声をよくいただきます。
2. むし歯や歯周病の進行を抑制できる

歯周病は口の健康だけでなく、放置すると歯が抜ける原因や、認知症のリスクを高める場合もあります。歯石の表面はざらついており、その凹凸がよごれの沈着を促し、歯周病をさらに悪化させる可能性が高いです。
また、歯石のなかには口臭の原因菌だけでなく、歯周病菌や虫歯菌も潜んでいます。これらが歯茎に定着すると、慢性的に歯茎に悪影響をおよぼし、炎症が歯茎の骨にまで影響します。
定期的な歯石除去によって、これらの病気の進行を抑制し、お口の健康を維持することができるのです。
3. 歯茎が引き締まり、出血を防止できる
歯石が除去されると、炎症が起きていた歯茎は引き締まり、出血もなくなります。歯石が歯ぐきにこびりついたままになると、歯ぐきの炎症は悪化して出血するばかりか、歯肉縁下歯石といって、黒っぽい歯石もが沈着することもあります。
歯石除去後は歯ぐきの色も健康的なピンク色に戻り、見た目も美しくなります。さらに、歯磨き時の出血も減少するため、日常のケアがしやすくなるというメリットもあります。
歯石を放置すれば、口臭の原因になるばかりかむし歯や歯周病といったお口のトラブルにつながるため、定期的に歯医者で検診を受ける必要があります。
歯石がたまりやすい習慣と予防法
歯石がたまりやすい習慣には、どのようなものがあるのでしょうか?
歯石の形成を防ぐためには、まず歯石がたまりやすくなる習慣を知ることが大切です。主な原因として以下のようなものが挙げられます。
歯磨きの回数が少ない
歯磨きの回数が少なかったり、磨き方が不十分だったりすると、歯垢が残りやすくなります。歯垢は約2日で歯石に変化するため、毎日の丁寧な歯磨きが重要です。
特に就寝中は唾液の分泌量が減少するため、寝る前の歯磨きは非常に重要です。また、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目は歯ブラシだけでは十分に清掃できないため、歯間ブラシやフロスの使用も効果的です。
間食が多い
頻繁な間食、特に糖分の多いお菓子や飲み物を摂取すると、口内の酸性度が上がり、歯垢が形成されやすくなります。間食の回数を減らし、食後に水でうがいをするだけでも効果的です。
また、唾液には自浄作用があるため、ガムを噛むことで唾液の分泌を促すことも有効な方法です。ただし、糖分の含まないガムを選ぶようにしましょう。
歯石は一度形成されると、自分で除去することはほぼ不可能です。なぜなら、歯石は非常に硬く、歯ブラシや市販の歯石除去グッズでは完全に取り除くことができないからです。
特に歯と歯の間の歯石は、専門的な器具を使わないと取ることが困難です。無理に自分で除去しようとすると、歯や歯ぐきを傷つける恐れがあります。
さらに、不完全な歯石除去は、表面をさらにザラザラにし、かえって歯石がつきやすくなる原因にもなります。
口臭が気になる方は、ぜひ歯科医院での定期的な歯石除去をおすすめします。
自宅でできる歯石予防と口臭ケア
歯石除去は歯科医院で行うものですが、自宅でできる予防法もあります。
毎日のセルフケアで歯石の形成を防ぎ、口臭を予防しましょう。以下に効果的な方法をご紹介します。
歯と歯の間の汚れをしっかり落とす

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを完全に取り除くことは難しいです。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯間部の清掃を徹底しましょう。
歯間ブラシは歯と歯の間のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。サイズが合っていないと、効果が半減したり、歯ぐきを傷つけたりする可能性があります。
当院では、患者さん一人ひとりの歯の状態に合わせて、最適な歯間ブラシのサイズをご提案しています。
歯磨き粉を使って丁寧に磨く
フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、歯の再石灰化を促進し、虫歯予防にもつながります。また、研磨剤入りの歯磨き粉は、歯の表面の汚れを落とすのに効果的です。
歯磨きの際は、歯ブラシを歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小さく円を描くように磨く「バス法」がおすすめです。力を入れすぎず、丁寧に磨くことが大切です。
また、舌の表面にも細菌は付着するため、舌ブラシや歯ブラシの裏側を使って、舌の清掃も行うと良いでしょう。
どうしても自分の口臭が気になる方や、歯石が気になる方は、定期的な歯科検診をおすすめします。
当院では、患者さんのお口の状態に合わせた予防プログラムをご提案しています。歯石除去だけでなく、正しい歯磨き方法の指導や、お口の健康を維持するためのアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:定期的な歯石除去で口臭も予防
歯石は口臭の大きな原因となるだけでなく、むし歯や歯周病のリスクも高めます。歯石除去を定期的に行うことで、以下の3つの効果が期待できます。
- 口臭の改善:歯石に付着した細菌が放出する悪臭物質を除去
- むし歯や歯周病の進行抑制:病気の原因となる細菌の減少
- 歯ぐきの引き締めと出血防止:健康的な口腔環境の維持
歯石は一度形成されると自分では取り除けないため、定期的な歯科検診が重要です。また、日常的なケアとして、丁寧な歯磨きと歯間清掃を心がけましょう。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた予防プログラムをご提案しています。「見える化→習慣化→再発予防」という3ステップで、お口の健康をサポートします。
口臭でお悩みの方、歯石が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのお口の健康を守るお手伝いをさせていただきます。
お口の健康は全身の健康にもつながります。定期的なメンテナンスで、いつまでも健康な歯を維持し、自信を持って笑顔になれる生活を送りましょう。
ご予約・お問い合わせは、お電話(026-214-9760)またはWEBにて承っております。お気軽にご連絡ください。
著者情報
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科 院長
小島 史雄

経歴
2017年3月 日本大学歯学部卒業
2017年~2025年 埼玉県越谷市 浅賀歯科医院 副院長勤務
2022年~2024年 千葉県柏市 柏いろは歯科おとなこども歯科 非常勤勤務
2025年 あおぞら歯科おとなこども矯正歯科
所属学会
日本口腔インプラント学会 専門医
日本歯周病学会
日本インプラント臨床研究会



