ＷＥＢ予約
Instagram
目次
「定期検診のお知らせが届いたけれど、前回から3ヶ月しか経っていない…」
こんなふうに感じたことはありませんか？
歯科の定期検診は、むし歯や歯周病を「治す」のではなく「発症させない」ための大切な予防ケアです。ただ、通院の頻度については「3ヶ月に1回」「半年に1回」など、さまざまな情報があって迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、定期検診のベストなペースは、お口の状態や生活習慣によって一人ひとり異なります。今回は、歯科医師の視点から、定期検診の理想的な頻度とその理由をわかりやすく解説していきます。
定期検診の基本的な頻度は「3ヶ月に1回」
歯科における定期検診の基本的な頻度は、**3ヶ月に1回**とされています。
これは、お口の中の細菌が元の状態に戻るまでの期間が、約3ヶ月前後だからです。治療やクリーニングを行っても、お口の中の細菌をゼロにすることはできません。日々のブラッシングが不十分だったり、疲労やストレスで免疫力が低下したりすると、細菌は再び増殖しやすくなります。
予防歯科先進国であるスウェーデンの研究では、歯周ポケット内の歯周病原因菌の数が、クリーニング後3ヶ月で元の数値まで戻ることが報告されています。
そのため、3ヶ月という間隔で定期的にプロフェッショナルケアを受けることで、むし歯や歯周病のリスクを効果的に抑えられるのです。
なぜ年1回では不十分なのか
健康診断は年1回が一般的ですが、歯科の定期検診では年1回では少なすぎます。
むし歯や歯周病は進行が比較的早く、1年という長い期間を置いてしまうと、取り返しのつかない状態まで悪化してしまうことも珍しくありません。特に歯周病は初期段階では痛みがほとんどなく、気づかないうちに進行します。
1年に1回の検診では、発見が遅れてしまうリスクが高まるのです。
3ヶ月検診で得られる効果
3ヶ月ごとの定期検診では、以下のような効果が期待できます。
- 歯周病原因菌の増殖を抑制
- 初期むし歯の早期発見
- 歯石の蓄積を最小限に抑える
- 噛み合わせの変化にいち早く対応
- セルフケアの質を継続的に向上
定期的なプロケアとセルフケアの両立が、健康な口腔環境を維持する鍵となります。
お口の状態によって変わる通院ペース
基本は3ヶ月に1回ですが、実際の通院頻度は患者さんのお口の状態によって調整します。
半年に1回でも大丈夫な方
お口の環境が良好で、以下の条件を満たしている方は、半年に1回の検診でも問題ない場合があります。
- 毎日のブラッシングが適切にできている
- フロスや歯間ブラシを習慣的に使用している
- むし歯や歯周病のリスクが低い
- 過去の治療歴が少ない
- 定期検診を継続的に受けている
ただし、これは歯科医師の診断に基づいた判断が必要です。
1〜2ヶ月に1回が推奨される方
一方で、以下のような方は、より短い間隔での通院が必要になることがあります。
- 歯周病が進行している、または過去に重度の歯周病を経験した
- むし歯になりやすい体質
- 喫煙習慣がある
- 糖尿病などの全身疾患がある
- 歯磨きが苦手で磨き残しが多い
- 矯正治療中
これらの方は、細菌の増殖スピードが早かったり、炎症が起こりやすかったりするため、より頻繁なプロケアが必要です。
年齢による違い
年齢を重ねるにつれて、歯周疾患のリスクは高まる傾向にあります。
特にご高齢の方は、唾液の分泌量が減少したり、服用している薬の副作用で口腔内が乾燥しやすくなったりするため、定期検診の頻度を高めることをおすすめしています。また、義歯やインプラントを使用している場合も、周囲の清掃が重要になるため、短い間隔でのメンテナンスが効果的です。
定期検診で行う内容とは
定期検診は、単なる歯のチェックだけではありません。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、以下のような項目を丁寧に実施しています。
お口の状態の確認
まず、むし歯や歯周病の有無を詳しくチェックします。歯茎の状態、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯のぐらつきなどを調べ、現在のお口の健康状態を「見える化」します。レントゲン撮影や口腔内写真の記録も行い、経時的な変化を追跡できるようにしています。
プロフェッショナルクリーニング（PMTC）
歯ブラシでは落とせない歯石やバイオフィルム（細菌の塊）を、専用の器具で丁寧に除去します。
特に歯周ポケット内は、セルフケアでは行き届きにくい部分です。超音波スケーラーやジェットポリッシングなどを使用し、お口の中を徹底的にクリーニングします。クリーニング後は、歯の表面がツルツルになり、汚れが付きにくい状態になります。
ブラッシング指導と生活アドバイス
磨き残しの傾向を確認し、一人ひとりに合った歯磨き方法をお伝えします。
歯ブラシの選び方、フロスや歯間ブラシの使い方、フッ素入り歯磨き粉の活用法など、ホームケアの質を高めるための具体的なアドバイスを行います。また、間食のタイミングや就寝前のケア、口呼吸の改善など、生活習慣の見直しもサポートしています。
フッ素塗布
歯科医院専用のフッ素ジェルを塗布することで、歯の再石灰化を促し、むし歯予防効果を高めます。
市販のフッ素入り歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を使用するため、より効果的な予防が期待できます。3ヶ月に1回の塗布と、毎日のフッ素入り歯磨き粉の併用が理想的です。
定期検診を続けるメリット
定期検診を習慣化することで、さまざまなメリットが得られます。
早期発見・早期治療で負担を軽減
定期的にチェックを受けることで、むし歯や歯周病を初期段階で発見できます。
初期のむし歯であれば、削る量を最小限に抑えられますし、治療期間も短くて済みます。歯周病も早期に対処すれば、歯を失うリスクを大幅に減らせます。結果として、治療の痛みや費用、通院回数を抑えることができるのです。
医療費の節約につながる
「定期検診はお金がかかる」と思われるかもしれませんが、長期的に見ると医療費の節約になります。
むし歯や歯周病が進行してから治療を受けると、治療費も治療期間も大幅に増加します。定期検診を続けることで、大掛かりな治療を避けられ、トータルの医療費を抑えられるのです。
全身の健康維持にも貢献
お口の健康は、全身の健康と密接に関わっています。
歯周病は、糖尿病や心臓疾患、脳卒中、誤嚥性肺炎などのリスクを高めることが報告されています。定期検診でお口の健康を維持することは、全身の健康を守ることにもつながるのです。
セルフケアの質が向上する
定期検診では、毎回ブラッシング状態をチェックし、改善点をお伝えします。
継続的な指導を受けることで、セルフケアの技術が少しずつ向上し、「できる」が増えていきます。これが予防の好循環を生み出し、お口の健康を長期的に維持できるようになるのです。
あおぞら歯科の予防歯科アプローチ
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、「見える化 → 習慣化 → 再発予防」という3ステップで予防歯科を実践しています。
見える化：現状を正確に把握
初診時に、現在のお口の状態やリスクを詳しく共有します。
プラーク染め出しや写真撮影を通じて、磨き残しの傾向を視覚的に確認していただきます。将来的にどのような変化が起こりうるかも含めて、わかりやすく説明します。
習慣化：生活に溶け込むケア設計
仕事や学校、部活動、送迎といった日常の動きを起点に、無理のない来院間隔とホームケアを組み合わせます。
「学期ごと」「大型連休前後」「人間ドックの前」など、ご家族のカレンダーに紐づく受診タイミングを提案し、予防が予定に入るしくみを作ります。また、歯ブラシやフロス、歯間ブラシのサイズを個別に処方し、「やること」を明確にすることで、継続しやすい環境を整えます。
再発予防：長期的なサポート体制
定期メインテナンスでは、バイオフィルム管理、噛み合わせチェック、生活習慣の見直しまで継続的に支援します。
「治したあと」がスタートラインという考え方で、詰め物や被せ物、インプラントなどの治療後も、再発と周囲炎の予防に力を入れています。材質や部位ごとに清掃道具の使い分けと来院間隔を設定し、写真で変化を追跡します。
まとめ：あなたに合った通院ペースを見つけましょう
歯科の定期検診は、基本的に**3ヶ月に1回**が理想的です。
ただし、お口の状態や生活習慣、年齢、全身の健康状態によって、最適な頻度は一人ひとり異なります。セルフケアが上手で口腔環境が良好な方は半年に1回でも問題ない場合がありますし、リスクが高い方は1〜2ヶ月に1回の通院が必要になることもあります。
大切なのは、「痛くなったら行く」ではなく、「痛みや不調がない時にも通う」習慣を持つことです。
定期検診を続けることで、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になり、治療の負担を最小限に抑えられます。また、医療費の節約や全身の健康維持にもつながります。何より、生涯自分の歯で食べられる口腔環境を維持できることが、最大のメリットです。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、お一人おひとりの状態を共有し、生活に合った計画を立てて伴走します。お子さんのむし歯ゼロ、再治療を減らす精密な治療、生涯自分の歯で食べられる口腔環境をめざして、予防中心の歯科医療をご提供しています。
長野市・青木島大塚で、家族みんなで通える歯科医院をお探しの方は、ぜひ一度あおぞら歯科おとなこども矯正歯科にご相談ください。電話予約・WEB予約に対応しており、初診ページで受診の流れを事前に確認できます。
あなたのお口の健康を、私たちと一緒に守っていきましょう。
著者情報
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科 院長
小島 史雄
経歴
2017年3月 日本大学歯学部卒業
2017年~2025年 埼玉県越谷市 浅賀歯科医院 副院長勤務
2022年~2024年 千葉県柏市 柏いろは歯科おとなこども歯科 非常勤勤務
2025年 あおぞら歯科おとなこども矯正歯科
所属学会
日本口腔インプラント学会 専門医
日本歯周病学会
日本インプラント臨床研究会
