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子どもが歯磨きを嫌がるのは自然なこと
毎晩の歯磨きタイムが格闘になっていませんか?
お子さんが歯磨きを嫌がって泣いたり、口を開けてくれなかったり・・・多くの保護者の方が同じ悩みを抱えています。実は、約8~9割の親御さんが子どもの歯磨き拒否に苦労した経験があるという調査結果もあります。
子どもが歯磨きを嫌がるのは、決して珍しいことではありません。むしろ、成長過程における自然な反応なのです。お口の中はとても敏感で、歯ブラシという「未知の異物」が入ってくることに驚いたり、不快に感じたりするのは当然のことです。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、お子さんの気持ちに寄り添いながら、楽しく歯磨き習慣を身につけていただけるようサポートしています。この記事では、お子さんが歯磨きを嫌がる原因と、ご家庭でできる具体的な対処法、そして歯科医院を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。
子どもが歯磨きを嫌がる主な原因

お子さんが歯磨きを嫌がる背景には、年齢ごとの発達や心理が大きく関係しています。原因を理解することで、適切な対策を立てやすくなります。
お口の中の不快感や痛み
小さなお子さんにとって、お口の中に歯ブラシを入れられるのは慣れない刺激です。
特に生え始めの乳歯や敏感な歯ぐきに触れると痛かった経験があると、それだけで歯磨きが怖くなってしまいます。歯ブラシの毛先が固かったり、磨き方が荒かったりすると、違和感や痛みを感じて嫌がる原因になります。
また、歯ブラシが歯茎や舌などの歯以外の部分に当たると、刺激を感じやすいため拒否反応を示してしまうこともあります。お口の感覚は非常に敏感で、お口に触れられることに慣れていないため、突然ガーゼ磨きや歯磨きをしようとすると、びっくりして嫌がることが多いのです。
イヤイヤ期による自我の芽生え
1~3歳頃は第一反抗期とも呼ばれるイヤイヤ期まっただ中です。
「なんでも自分でやりたい!でもうまくできない!」「今はこれをやりたくない!」という自己主張が激しくなる時期です。歯磨きも例外ではなく、ママやパパにやられるのが嫌で「歯磨きいや!」「自分で!」と抵抗します。
この時期のお子さんが歯磨きを嫌がるのは、ごく自然な成長過程と言えます。自我が芽生え始めるため、親御さんの真似をしたがるようになる一方で、自分の意思を通したいという気持ちも強くなります。
歯磨きのイメージが悪い・叱られるのが怖い
歯磨きのときに無理やり押さえつけられたり、「ちゃんと磨かないとダメでしょ!」と怒られたりすると、お子さんにとって歯磨き=嫌な時間になってしまいます。
また、以前に歯磨き中痛い思いをした子は、「また痛いことをされるかも・・・」と不安で余計に拒否することもあります。夜は保護者の方も疲れている時間帯になるため、お子さんが嫌がっていても無理やり歯ブラシをしたり、場合によっては押さえつけて歯ブラシをしているかもしれません。
そうした経験や記憶が重なってくると、「歯磨き=怖い」というイメージが植え付けられ、歯磨きが嫌になることがあります。
遊びに夢中で歯磨きをしたくない
幼児は遊びに夢中になっているときに中断されるのを嫌がります。
楽しい遊びやテレビを中断してまで歯磨きをしたくない、という気持ちも抵抗の一因です。遊んでいたり、絵本やテレビを見ている途中で強制的に歯磨きをしてしまうと、意識や行動の切り替えができないため、歯磨きを嫌がる原因になります。
また、「歯磨きなんてつまらない」「まだ遊んでいたい」と感じて機嫌が悪くなることもあります。
長い間お口を開けているのが苦手
日常で大きくお口を開けっ放しということがないため、小さなお子さんは長い時間口を開けるのが苦手です。
顎が疲れたり、集中力が続かないと、お口を閉じようとしてしまいます。また、お口を開けた状態だと、喉の奥に唾液が溜まりやすく、余計に不快感を覚えます。こまめにお口を閉じて休憩を挟んだり、うがいとまではいかなくても、溜まった唾を飲ませてあげる配慮が必要です。
年齢別:歯磨きを嫌がる理由と対処法
お子さんの年齢によって、歯磨きを嫌がる理由や効果的な対処法は異なります。ここでは、年齢別に具体的な対策をご紹介します。
0歳~1歳:歯磨きに慣れることから始める
最初の乳歯が生えてくるのは、一般的に生後6か月頃からです。
この時期はまだ歯が生えていないか、生え始めたばかりなので、お口の中を清潔に保つことが重要です。歯が生える前から口腔ケアを始めることで、将来の虫歯予防にもつながります。
**清潔なガーゼや赤ちゃん用のシリコン製歯ブラシを使用**して、濡らしたガーゼを指に巻きつけ、優しく赤ちゃんの歯ぐきや舌を拭いてあげましょう。赤ちゃんの機嫌を見ながら、短時間で行うのがコツです。
歯が生え始めたら、いよいよ乳児用の歯ブラシを使った本格的な歯磨きを開始します。最初は歯ブラシに慣れてもらうことから始め、歯ブラシを噛ませて遊ばせる時間も大切です。まずは慣れてもらうことから始めるとよいでしょう。
1歳~3歳:イヤイヤ期の対応がカギ
1歳を過ぎると、乳歯の本数も増え、より丁寧な歯磨きが必要になります。
しかし、ちょうどこの頃にイヤイヤ期が始まり、何でも嫌!と反抗するようになります。1歳半を過ぎるとむし歯のリスクも高まってくるため、この時期の歯磨き習慣づけが非常に重要です。
**ごっこ遊びや大げさに褒めるなどをして盛り上げる**ことが効果的です。ぬいぐるみに歯磨きしているところを見せたり、お子さんに歯ブラシも持ってもらい、親御さんの歯磨きをしてもらったりすると良いでしょう。
また、**親御さんも一緒に歯磨きをする**ことで、お子さんは真似をしたがるようになります。歌を歌いながら、絵本を読みながら、あるいは鏡の前で一緒に歯磨きをするなど、子供が「楽しい時間」と感じられるように工夫しましょう。
どんなに嫌がるお子さんも毎日歯磨きをしていれば、2歳半~3歳半頃から嫌がらなくなります。個人差はあるため多少前後することもありますが、歯磨きを嫌がるのは少しの間だけなので、ご安心ください。
4歳~6歳:自分でやりたい気持ちを尊重
4~6歳の子供になると、自我がさらに発達して「もう自分で全部できるもん!」という意識が芽生えます。
着替えやお片付けと同じように、歯磨きも自分でしたいという主張が出てきます。このため、親が仕上げ磨きをしようとすると「自分で磨いたからもういいでしょ!」と嫌がるケースが増えます。
**お子さんに自分で選ばせる**ことで、愛着を持って使うようになるケースもあります。歯ブラシの色や歯磨き粉の味を選ばせることで、自分で決めたという満足感から、やる気が生まれます。選択肢を与えて主体性を引き出しましょう。
また、**仕上げ磨きは短時間で丁寧に行う**ことが大切です。子ども自身の歯磨きでは汚れを十分に落とせないため、保護者による仕上げ磨きが欠かせません。仕上げ磨きは2~3分程度を目安に、前歯の裏や奥歯の溝を意識して磨きます。
家庭でできる効果的な対処法

ご家庭でできる具体的な対処法をご紹介します。お子さんの個性に合わせて、いくつかの方法を組み合わせて試してみてください。
歯磨きを楽しい時間にする工夫
歯磨きの時間をゲームや歌と組み合わせることで、お子さんは楽しく取り組めます。
**歯磨きの歌を歌いながら順番に磨いたり、歯の中のバイキン退治ごっことして物語仕立てで進めたりする**方法があります。タイマーを使って1分間チャレンジにするのも効果的です。
アンパンマンやしまじろうなどの歯磨き動画、タイマー付きアプリなども効果的です。視覚と音のサポートで、歯磨きが楽しい時間に変わります。
**鏡を見ながら歯を磨く**と、自分の歯や口の中の状態がわかり、磨く意識が高まります。特に、お子さんが自分の動きを確認できる大きめの鏡や洗面台の鏡を活用すると効果的です。手鏡を使って、お子さんに自分の口の中を見せながら歯磨きするのも良いでしょう。
お子さんに合った歯ブラシ・歯磨き粉を選ぶ
歯ブラシのサイズや毛の硬さは、お子さんの年齢や口の大きさ、歯の状態に合わせることが重要です。
0~2歳頃はヘッドが小さく、やわらかい毛のものを選び、3歳以降は少し大きめのものへ移行していきましょう。お子さんの小さなお口に大きな頭の歯ブラシや、毛先が硬い歯ブラシを使うと、不快感や痛みを覚えて、歯磨きが嫌になる可能性があります。
**好きなキャラクターや色の歯ブラシを使う**ことで、歯磨きの時間が楽しみになり、自分から歯磨きしたいと思うようになってくれるかもしれません。薬局や歯科医院で一緒に歯ブラシを選ぶのも良いでしょう。
また、**味や匂いのある歯磨き粉を使う**と、歯磨きをしてもらえるようになります。ストロベリー、グレープ、アップルなどの果物の味や匂いのものが多いので、お子さんの好きな果物のものを選んでみてください。
歯磨きのタイミングと習慣化
歯磨きを1日の決まった時間に行うことで習慣化しやすくなります。
**「◯時からは歯磨きの時間」と決めて習慣化**すれば、遊んでいても切り替えられるようになり、歯磨きが嫌でなくなるでしょう。歯磨きの時間だけでなく、ご飯やお風呂、寝る時間も決めて、規則正しい生活をしましょう。
特に、朝食後と就寝前の2回は欠かさないようにしましょう。就寝前は虫歯のリスクが高まるため、より丁寧な仕上げ磨きを行うことが大切です。タイミングを決めることで、お子さんも今は歯磨きの時間と自然に受け入れやすくなります。
嫌がる日は柔軟に対応する
嫌がる日は、仕上げ磨きだけでもOKです。
「今日はちょっとだけ」と声をかけ、少しずつ慣れさせるのがポイントです。日によって柔軟に対応しましょう。「イヤなのは当然」と受け止め、気持ちを否定しないことが大切です。「嫌いなんだね」と共感し、落ち着いたタイミングで再チャレンジを。
毎日完璧でなくても大丈夫ですが、なるべくフッ素入りの歯磨き粉やジェルを使って虫歯の予防に努めてください。
歯磨き後にほめて達成感を与える
歯磨きが終わったら、よくできたねと声をかけ、達成感を持たせることが効果的です。
シールとカレンダーを用意して磨けた日は貼る、スタンプを押すなど、目に見える形で達成感を味わえる工夫も有効です。小さな成功体験が積み重なると、歯磨きへの意欲が高まります。少しでも歯磨きができれば、オーバーリアクションで褒めてあげることでお子さんの気分も盛り上がり、歯磨きをしやすくなります。
歯科医院を受診すべきタイミング

ご家庭での対処法を試しても改善が見られない場合や、以下のような症状がある場合は、歯科医院への受診をおすすめします。
むし歯のリスクが高い場合
乳歯のケアは将来の歯の健康に直結する大事な習慣です。
むし歯や歯周病の多くは、毎日のセルフケアだけでは防ぎきれません。あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、むし歯・歯周病のリスク評価、ホームケア状況のチェック、歯並び・噛み合わせの確認、定期的な検査と予防プランの見直しを行っています。
特に、夜中の頻繁な授乳はむし歯になることもありますので気をつけましょう。哺乳ビンにジュースやイオン飲料など糖分の多い飲み物を入れて飲ませたり、寝る時に哺乳ビンでミルクを飲ませながら眠ってしまうと、むし歯のリスクが高くなります。
かみ合わせや舌小帯の異常が疑われる場合
食べ物をためていてなかなか飲み込まない、うまくかめないで丸のみしているような場合は、かみ合わせや舌小帯の異常で咀嚼や飲み込みが上手に出来ないこともあります。
お子さんの上唇の上のすじ(上唇小帯)や舌の下のすじ(舌小帯)が長すぎたり、短かったりすると赤ちゃんがおっぱいに吸い付くのが難しくなることもあります。健診の時にチェックしてもらいましょう。
定期的な予防歯科のすすめ
乳幼児期から小児歯科専門医またはかかりつけ歯科医に定期的に受診しながら、口の健康を獲得してください。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、**エアフロー(パウダーメンテナンス)を保険診療で提供**しています。エアフローは、鋭利な器具を使わず、歯や歯ぐきへのダメージが少なく、バイオフィルムや着色を短時間で除去できるという特徴があり、痛みが苦手な方やお子様にも人気の予防方法です。
また、**PMTC(プロによる徹底クリーニング)、スケーリング(歯石除去)、フッ素塗布**などの専門的なプロケアを提供しています。フッ素塗布はお子様だけでなく大人のむし歯予防にも効果的で、エナメル質を強化し、初期むし歯の修復も期待できます。
3ヶ月に一度のフッ素塗布は大人にも効果的で、むし歯予防の心強い味方になっています。予防を続けることで、「むし歯になったから行く場所」から「健康を守るために定期的に通う場所」へ、歯医者のイメージが変わるはずです。
まとめ:焦らず楽しく習慣づけよう
お子さんが歯磨きを嫌がるのは自然なことです。
焦らず、遊びや選択、共感を通して少しずつ慣らしていくのがコツです。毎日完璧でなくても大丈夫ですが、なるべくフッ素入りの歯磨き粉やジェルを使って虫歯の予防に努めてください。続けることで、必ず前向きに変わっていきますよ。
ご家庭でのケア方法、歯ブラシ・歯間ブラシの選び方、磨き方の癖まで細かくアドバイスし、家に帰ってから何をすればいいのかが明確になるため、継続しやすい予防習慣が身につきます。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、患者様一人ひとりに合わせた予防プログラムを組み立て、生涯ご自身の歯を守ることを目標としています。むし歯や歯周病は、ほとんどが予防で防げる病気です。悪くなる前に定期的にお口の状態を整えることで、将来の治療費や痛みのリスクを大幅に減らすことができます。
「削らない・抜かない未来」をつくるための予防歯科を大切にしています。お子さんの歯磨きでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科で、お子さんの健やかな歯の成長をサポートします。
著者情報
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科 院長
小島 史雄

経歴
2017年3月 日本大学歯学部卒業
2017年~2025年 埼玉県越谷市 浅賀歯科医院 副院長勤務
2022年~2024年 千葉県柏市 柏いろは歯科おとなこども歯科 非常勤勤務
2025年 あおぞら歯科おとなこども矯正歯科
所属学会
日本口腔インプラント学会 専門医
日本歯周病学会
日本インプラント臨床研究会



