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歯周病で歯がグラグラする理由とは
歯周病が進行すると、歯がグラグラと揺れるようになります。これは決して珍しいことではなく、日本人の約80%が何らかの歯周病症状を抱えているとされています。
歯周病の直接的な原因は、歯と歯ぐきの境目に蓄積した「プラーク(歯垢)」です。プラークは単なる食べカスではなく、細菌の塊なのです。わずか1mgの1000分の1のプラークに1億個以上の細菌が生息しています。この無数の菌の中に歯周病の原因菌が潜んでいます。
歯周病菌が出す炎症物質や毒素が歯肉内部に侵入すると、身体は異物を排除しようと炎症反応を起こします。この炎症が歯肉そのものを分解し、傷つけ、血管が破れて出血するのです。
さらに恐ろしいのは、炎症が進むと歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしてしまうことです。歯槽骨が失われると、歯を支える土台がなくなり、歯がグラグラと揺れるようになります。最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の特筆すべき特徴は、炎症を起こしているのに痛みがほとんど起こらないことです。起こる症状といえば、出血と歯がぐらぐらすることや口臭ぐらいであるため、医療機関を受診するほどではないとほっとかれがちです。軽度の歯周病であっても何もしないで放置すると、平均3~5年ほどで歯がぐらぐらするようになり、最終的に抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の進行段階と各症状
歯周病は段階的に進行していきます。それぞれの段階で症状が異なるため、早期発見・早期治療が重要です。
第1段階:歯肉炎(初期段階)
歯周病の最も初期の段階です。この段階では、まだ歯を支える骨には影響が及んでいません。
主な症状
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯磨きの際に出血する
- 歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる
- 口臭が気になる
健康な歯ぐきは薄いピンク色で引き締まっていますが、歯肉炎になると赤色に変化します。この段階なら、毎日の適切な歯磨きと歯科医院でのメンテナンスを受けることで、もとの健康な歯ぐきの状態に戻ります。
第2段階:軽度歯周炎
歯肉炎を放置すると、炎症が歯ぐきの内側に進行し、歯を支える骨にまで影響を及ぼし始めます。
主な症状
- 歯ぐきの炎症が進行し、赤みや腫れがひどくなる
- 歯ぐきからの出血が増える
- 口臭が徐々に強くなる
- 歯と歯ぐきの間に隙間ができ、食べ物がつまりやすくなる
- 冷たいものがしみる
この段階では、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さが3~5mmほどになります。歯科医院での専門的な治療と継続的なケアが必要です。
第3段階:中等度歯周炎
さらに進行すると、歯を支える骨がより多く失われ、歯がグラグラし始めます。
主な症状
- 歯ぐきの色が赤黒くなる
- 歯ぐきが下がって歯が長く見える
- 歯がグラグラすることがある
- 口臭が強くなる
- 歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる
- ブラッシングで出血や膿がでる
この段階では、歯周ポケットの深さが4~7mmほどになり、歯を支える骨の約半分が失われています。歯周外科治療が必要になるケースもあります。
第4段階:重度歯周炎
最も進行した段階です。歯を支える骨の半分以上が失われ、歯が大きくグラグラして、自然に抜け落ちることもあります。
主な症状
- 歯ぐきが大幅に下がる
- 歯が大きくグラグラする
- 食べ物を噛むと痛みを感じる
- 歯と歯ぐきの間から膿が出る
- 口臭が非常に強くなる
- 歯が浮く感じがする
この段階では、歯周ポケットの深さが6mm以上になり、歯を支える骨が大幅に失われています。高度な歯周治療や、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
歯周病の進行を加速させる要因
歯周病の直接的な原因はプラークですが、以下のような要因が歯周病の進行を加速させます。
全身疾患との関連
糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つとされています。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼします。血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
心臓疾患・脳血管疾患
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
生活習慣による影響
以下のような生活習慣も歯周病を進行させる因子(リスクファクター)となります。
- 喫煙
- 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
- 不規則な食習慣
- ストレス
- 口で呼吸することが多い
このような方は歯周病になりやすいあるいは進行が速い傾向にあるため、歯科医師に相談することをお勧めします。
進行段階別の治療方法
歯周病の治療は、進行度によって異なります。早期発見・早期治療が最も効果的ですが、進行した場合でも適切な治療によって症状の改善が期待できます。
歯肉炎・軽度歯周炎の治療
初期段階では、比較的簡単な治療で完治が可能です。
ブラッシング・フロッシング指導
正しい歯磨き方法を学び、プラークを効果的に除去します。自分ではきちんと磨いているつもりでも、磨き残しのクセを具体的に教えてもらえることで、セルフケアへの意識が変わります。
スケーリング(歯石除去)
歯科医師や歯科衛生士が専用の器具で歯石を除去します。歯石とは歯垢が石灰化したもので、ざらつきがあり汚れが付着しやすいです。歯周病菌が繁殖しにくいようにスケーリングで歯石を除去し、表面をなだらかにする必要があります。
PMTC(専門的機械的歯面清掃)
専門的な歯のクリーニングです。セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で改善を目指します。軽度から中等度歯周病であれば、基本治療のみで改善が期待できるケースもあります。
中等度歯周炎の治療
中等度歯周炎では、基本的な治療に加えて、より高度な治療が必要になることがあります。
ルートプレーニング(SRP)
歯ぐきの下の歯石(歯肉縁下歯石)の表面をなめらかにする治療法です。スケーリングでもとれないざらつきを除去することで、歯周病菌の付着を抑制します。歯周ポケットの深くに治療器具を入れる必要があるため、痛みが出る恐れがあります。
歯周外科治療
基本治療で改善が不十分な場合には、フラップ手術などの歯周外科治療を実施します。歯周ポケット深部の歯石を確実に除去します。
重度歯周炎の治療
重度歯周炎では、高度な治療が必要になります。
再生療法
失われた骨の回復を目指す再生療法にも対応しており、「抜歯しかない」と言われた歯でも保存できる可能性を探ります。あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、進行度に応じた精密診断のもと、段階的かつ科学的根拠に基づいた治療を行っています。
抜歯
場合によっては抜歯が必要になることもあります。しかし、できるだけ歯を残す方針で治療を進めることが重要です。
歯周病の予防とメインテナンス
歯周病は再発しやすい疾患です。治療終了後も定期的な検査とPMTCを継続し、再発防止を徹底することが重要です。
毎日のセルフケア
歯周病の予防には、毎日の適切なブラッシングが最も重要です。
- 歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
- デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
- 歯磨き粉は歯周病予防効果のあるものを選ぶ
- 就寝前の歯磨きを特に丁寧に行う
プラークは2日で歯石になると言われています。そのため、蓄積する前にセルフケアで取り除く必要があると言えるでしょう。
定期的な歯科検診
歯周病は初期の自覚症状に乏しい病気だと言われますが、日々しっかりと口腔内を観察することで早期発見が可能です。
半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしましょう。数カ月ごとのメインテナンスで健康な状態を維持します。
生活習慣の改善
歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科の歯周病治療
長野市青木島エリア、長野南バイパス沿いにあるあおぞら歯科おとなこども矯正歯科は、「なるべく歯を抜かずに残す歯周病治療」に力を入れています。
精密な検査と見える化による診断
歯周病治療は、正確な現状把握から始まります。歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺度、プラーク付着状況の確認に加え、レントゲン撮影で歯槽骨の状態まで丁寧に評価します。症状だけで判断せず、客観的データをもとに治療計画を立案します。
歯を守るための歯周基本治療を徹底
ブラッシング・フロッシング指導、スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング(歯根面の滑沢化)、PMTC(専門的機械的歯面清掃)といった歯周基本治療を重視しています。
セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で改善を目指します。軽度から中等度歯周病であれば、基本治療のみで改善が期待できるケースもあります。
重度歯周病にも対応する外科的アプローチ
基本治療で改善が不十分な場合には、フラップ手術などの歯周外科治療を実施します。歯周ポケット深部の歯石を確実に除去します。
さらに、失われた骨の回復を目指す再生療法にも対応しており、「抜歯しかない」と言われた歯でも保存できる可能性を探ります。
全身の健康まで見据えた歯周管理
歯周病は糖尿病や動脈硬化、心疾患、早産など全身疾患との関連が指摘されています。「お口の病気」としてだけでなく、全身の健康リスクとして歯周病を捉え、長期的な管理を重視しています。
治療後のメインテナンス体制が充実
歯周病は再発しやすい疾患です。治療終了後も定期的な検査とPMTCを継続し、再発防止を徹底します。数カ月ごとのメインテナンスで健康な状態を維持します。
まとめ
歯周病で歯がグラグラするのは、歯周病菌によって歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされているためです。歯周病は段階的に進行し、初期の歯肉炎から重度歯周炎まで、それぞれの段階で症状と治療方法が異なります。
歯周病は日本人の約80%が罹患している「国民病」であり、自覚症状が少ないまま進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれています。しかし、早期発見・早期治療によって改善が可能です。
歯周病は単なる口の中の病気ではなく、糖尿病や心疾患、脳血管疾患など全身の健康にも影響を及ぼします。歯周病の予防や治療は、全身の健康を守ることにもつながるのです。
「歯みがきで血が出る」「歯ぐきが腫れる」「歯が揺れる」といった症状がある方は、早期受診が将来の歯の本数を守る鍵になります。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、進行度に応じた精密診断、歯を抜かない保存重視の治療方針、基本治療の徹底と再評価システム、外科・再生療法への対応、長期メインテナンス体制を強みとしています。
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