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歯みがきのあと、血が混じっていたこと、ありませんか?
「痛くないから大丈夫だろう」と思っていると、実は歯周病が静かに進行しているかもしれません。歯ぐきからの出血は、お口の中から発せられる大切なサインです。
歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因とされています。自覚症状が少ないまま進行するため、気づいたときには重度になっているケースも少なくありません。
この記事では、歯ぐきから血が出る6つの原因と、今日から実践できる予防ケアについて、長野市のあおぞら歯科おとなこども矯正歯科の視点から解説します。
歯ぐきから血が出るのは何のサイン?

歯みがきやフロスを使ったときに血が混じるのは、決して正常な状態ではありません。
これは歯周病の初期症状である可能性があり、放置すると歯の喪失へと至る最初の段階を示しています。時々であっても、歯ぐきから血が出たら、そのまま放置しないようにしましょう。
歯周病は進行する過程でほとんど痛みを伴わないため、自覚症状が少なく、症状が出現したときには非常に病状が進んでいる場合が少なくありません。そのため、気づいた時には重度の歯周病で抜歯しなければならないケースが多々見られます。
歯周病は、以前は歯槽膿漏と呼ばれていた疾患です。若年者のう蝕は減少傾向にありますが、逆に歯周病の罹患率は増加しています。
歯ぐきから血が出る6つの原因
1. プラーク(歯垢)の蓄積
歯ぐきからの出血は、歯垢と呼ばれる細菌の塊が、歯の周辺や表面、歯と歯の間に蓄積されることにより引き起こされます。
プラークがきちんと取り除かれていないと、歯ぐきが炎症を起こし、出血する場合があります。プラーク1ミリグラム中には1億から10億個の細菌が生息しており、これらの細菌が歯周病の主な病因となっています。
歯周病は歯と歯肉の境界にあるポケットと呼ばれる溝の中で歯周病原細菌が増殖し、その細菌の感染によって炎症が生じて、発症・進行するものです。
2. 強すぎるブラッシング
過度の歯みがきや強すぎるブラッシングも、歯ぐきから血が出る原因となります。
「しっかり磨かなければ」という思いから、力を入れすぎてしまうケースがよくあります。しかし、強い力でのブラッシングは歯ぐきを傷つけ、出血を引き起こすだけでなく、歯ぐきの退縮にもつながります。
適切な力加減でのブラッシングが重要です。
3. 新しいハブラシやフロスの使用
新しいハブラシで磨いたり、フロスを習慣的に使用することでも、歯ぐきから血が出ることがあります。
これは一時的な反応である場合が多く、数日で改善することがほとんどです。ただし、出血が続く場合は、他の原因が隠れている可能性があります。
4. 歯肉炎と歯周炎
歯肉炎は歯肉に炎症がある状態で、歯と歯の間や歯と歯肉のすき間にたまった歯垢や歯石が原因で起こります。
歯肉炎を放置しておくと歯垢や歯石がどんどんくっついてしまい、特に歯と歯肉のすき間である歯周ポケットに歯石がたまり、どんどん歯周ポケットが深くなります。そこに歯垢や歯石がたまり、膿も出るようになります。
歯周炎では歯肉の炎症が歯肉炎よりも進行して、歯槽骨の溶け出しが始まります。歯槽骨が溶けると歯がグラグラになってしまい、最終的には歯を失う危険性があります。
5. 服用している薬の副作用
服用している薬によっては、歯ぐきに出血を引き起こすものもあります。
特に抗凝固薬や一部の降圧薬などは、歯ぐきの状態に影響を与える可能性があります。高血圧の薬などの副作用で歯ぐきが腫れることもあるため、内科と連携して治療を行うことが重要です。
6. 全身疾患との関連
まれに腫瘍や血液の病気などによって腫れたり出血する場合もあります。
糖尿病のような全身疾患があると、身体の防御機構が低下し歯周病になりやすくなります。また、歯周病原細菌の菌体成分や代謝産物が全身へと拡散して遠隔の臓器に傷害を与え、全身疾患の原因となることも明らかになってきました。
歯周病は糖尿病や動脈硬化、心疾患、早産など全身疾患との関連が指摘されています。
歯周病の進行メカニズムを理解する
歯周病の原因はプラーク中の細菌です。
ポケット内に空気を嫌う嫌気性菌が増殖することが明らかになっています。ポケットの中で細菌は浮遊状態で存在するのではなく、他の多くの細菌と凝集塊を作り、細菌が産生する糖に包まれてバイオフィルムと呼ばれる集塊を形成します。
バイオフィルム中の細菌は白血球や抗体などの攻撃や抗生物質等からも防御され、歯周病が慢性化する要因になっています。また集塊のまま剥離すると、全身へと拡散して遠隔の臓器に傷害を与え、全身疾患の原因となることが明らかになってきました。
近年では、歯周病原細菌の菌体成分や代謝産物が直接的に歯周組織に傷害を与える直接作用以外に、宿主の免疫応答や代謝を撹乱し、過剰な免疫、生物学的反応を誘発して、組織傷害を導く間接作用が重要な病因であることが分かってきました。
今すぐできる予防ケア5つのステップ

ステップ1:正しい歯みがき方法の習得
ハミガキを使用して、1日2~3回、少なくとも2分間はブラッシングをすることが基本です。
ヘッドが小さく、柔らかめで毛先が丸いタイプのハブラシ、または電動ハブラシを使用し、特に歯と歯ぐきの境目をていねいに磨きましょう。歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、一般的な歯ブラシの毛先は奥まで届きません。
最近では毛先が細くしなやかで、歯周ポケット内や歯肉のマッサージ専用の歯ブラシが手に入るようになったので、これを利用すると良いでしょう。歯ブラシを縦に持ち、歯軸に平行に当て、ポケットに毛先を挿入して歯ブラシを振動する様にマッサージを行う方法や、歯面に約45度の角度で毛先をポケットに入れ、ポケット内のプラークを除去する方法が効果的です。
ステップ2:フロスと歯間ブラシの活用
フロスまたは歯間ブラシを使って、歯と歯の間などハブラシが届きにくい部分のプラークを取り除くことが重要です。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは十分に除去できません。フロスや歯間ブラシを毎日の習慣に取り入れることで、プラークの蓄積を効果的に防ぐことができます。
ステップ3:定期的な歯科検診の受診
定期的に歯科医院で検診を受けることで、症状が現れる前に歯ぐきの異常を見つけることができます。
歯ぐきから血が出たら、直ちに歯科医師に相談して、症状が悪化する前に対処することが大切です。歯周病はかなり進行しないと症状が出てきません。初めのうちは歯ぐきのみにとどまっていますが、次第に進行し歯を支える骨にまで進むと手術が必要になることもあります。
ステップ4:プロフェッショナルケアの活用
歯石は自分で取ることができないので、定期的に歯科医院を受診して歯石を取ってもらうことが必要です。
超音波などを用いて歯石を破壊し水で洗い流す方法や、先のとがった器具を用いて1本1本歯石を取っていく方法があります。また治療後に歯垢や歯石がつきにくくするために専用の器具を使って歯の表面をつるつるにするPMTCも有効です。
ステップ5:生活習慣の見直し
たばこを吸うと歯周病が進行し、治療の効果も上がりにくいことが知られています。
禁煙は歯周病予防に非常に重要です。また、糖尿病などの全身疾患は歯周病を悪化させるため、全身の健康管理も欠かせません。口腔乾燥状態についても殺菌効果のある唾液が減少してしまうため、歯周病の危険が高まりますので注意が必要です。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科の歯周病治療

長野市のあおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、「なるべく歯を抜かずに残す歯周病治療」に注力しています。
進行度に応じた的確な診断のもと、段階的かつ科学的根拠に基づいた治療を提供しています。
精密な検査と見える化による診断
歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺度、プラーク付着状況の確認に加え、レントゲン撮影で歯槽骨の状態まで丁寧に評価します。
症状だけで判断せず、客観的データをもとに治療計画を立案することで、適切な診断を下すことができます。見た目と進行度が異なることが多いため、歯周組織検査とエックス線検査の結果を組み合わせることが重要です。
歯周基本治療の徹底
ブラッシング・フロッシング指導、スケーリング、ルートプレーニング、PMTCといった歯周基本治療を重視しています。
セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で改善を目指し、軽度から中等度歯周病であれば、基本治療のみで改善が期待できるケースもあります。歯みがきは歯周治療の基本であり、正しく磨ける人は意外に少ないものです。良い歯ブラシの選び方・持ち方・毛先の当て方・動かし方・力の入れ方など模型を使って指導します。
重度歯周病への対応
基本治療で改善が不十分な場合には、フラップ手術などの歯周外科治療を実施し、歯周ポケット深部の歯石を確実に除去します。
麻酔して歯ぐきを開き、普通見えない深い場所や歯の間の歯石を取ります。またでこぼこした歯槽骨の形を整えたり、歯周ポケットを減らしたりして清掃しやすい環境にします。さらに、失われた骨の回復を目指す再生療法にも対応しており、「抜歯しかない」と言われた歯でも保存できる可能性を探ります。
治療後のメインテナンス体制
歯周病は再発しやすい疾患です。
治療終了後も定期的な検査とPMTCを継続し、再発防止を徹底しています。数カ月ごとのメインテナンスで健康な状態を維持することが、長期的な歯の保存につながります。
まとめ:早期発見・早期治療が歯を守る鍵
歯ぐきからの出血は、決して軽視してはいけないサインです。
プラークの蓄積、強すぎるブラッシング、薬の副作用、歯肉炎・歯周炎、全身疾患など、様々な原因が考えられます。しかし、どの原因であっても、早期に適切な対処をすることで、歯周病の進行を防ぎ、大切な歯を守ることができます。
今日から実践できる予防ケアとして、正しい歯みがき方法の習得、フロスや歯間ブラシの活用、定期的な歯科検診の受診、プロフェッショナルケアの活用、生活習慣の見直しを心がけましょう。
「歯みがきで血が出るけど、痛くないから大丈夫かな…」と不安を感じている方は、ぜひ早めに歯科医院を受診してください。
あおぞら歯科おとなこども矯正歯科では、歯周病が心配な方に寄り添いながら、丁寧に治療を進めています。
長野南バイパス沿い、長野市立更北中学校から徒歩3分、長野駅から車で約10分の立地で、土曜診療も実施しており、駐車場も完備されています。「歯ぐきの腫れや出血が気になる」「できれば自分の歯を長く残したい」という気持ちに応える歯科医院です。
将来の歯の本数を守るために、今日から予防ケアを始めましょう。



